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▽商品詳細▽
生体内での機能
脂肪酸はミトコンドリア膜を通過する前に酵素カルニチンアシルトランスフェラーゼの作用により細胞質内のアシルCoAがアシルカルニチンへと変換されてから、ミトコンドリアマトリックス内へと膜を通過する。その後ミトコンドリア内において再びカルニチンアシルトランスフェラーゼの作用により、アシルCoAが再生される。脂質代謝の補因子であるためかつてはビタミンBT と呼ばれたが、現在ではこの呼称はほとんど用いられていない。
サプリメント
近年は脂質代謝に関与することからダイエット用サプリメントとして注目を浴びている。もともと体内で造られている微量成分だが、加齢の問題や現代の多忙な生活の中で、不足しがちになると言われる。男性より女性に不足する傾向があり、肥満体型の人も不足傾向にある。アメリカの研究では1日500ミリグラム程度のL-カルニチンが必要だとされている。
L-カルニチンについて
L-カルニチン、コエンザイムQ10およびα-リポ酸は、ダイエット効果を標榜する「いわゆる健
康食品」に含まれている話題の食品素材です。生化学の教科書では、これらの素材はいずれも
エネルギー消費やエネルギー産生に重要な役割を果たすことが示されています(1)。従って、
これら食品素材の摂取は脂肪燃焼を促し、ダイエットに効果的に作用する可能性が強調され販
売されています。そこで本ミニレビューでは、脂肪燃焼に密接に関与する食品素材の一つであ
るL-カルニチンを取り上げ、その作用メカニズムや人での研究成果について紹介し、最近話題
の機能性を考えてみたいと思います。
1. 体内におけるL-カルニチンの役割
体内でL-カルニチンは主に2つの働きをしています。
一つの働きは、脂肪酸などをミトコンドリア内へ運搬する役割です。ミトコンドリアは細胞内
にある小さな器官です。ここでは物質の酸化によるエネルギーを用いて、生体活動に必要なエ
ネルギー源であるアデノシン3燐酸(ATP)が作られます。特に長鎖脂肪酸が利用されるb-酸化へ
のL-カルニチンの関与は古くより知られています(3)。すなわち、細胞質の内に取り込まれた
遊離脂肪酸(アシル基)は補酵素A(CoA)と結びついてアシルCoAになり、カルニチンアシル
トランスフェラーゼIと言う酵素の働きによってL-カルニチンと結合しアシルL-カルニチンが
生成されます。このアシルL-カルニチン結合体はミトコンドリア内膜を通過することが可能で
あり、ミトコンドリア膜を通過した脂肪酸はミトコンドリア内部でb-酸化を受け脂肪が燃焼さ
れます。図−2を参照下さい。

このような働きの他にもL-カルニチンは、潜在的に細胞毒性を示す短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸を
ミトコンドリア外へ運び出す働きをしたり、ミトコンドリア内でエネルギー代謝に関与する遊
離しているCoAを細胞内に維持する働きをしています(4)。
以上のようにL-カルニチンは、細胞内のミトコンドリアに脂肪酸などを運ぶ役割と細胞内にお
ける遊離CoAの維持に重要な役割を担っていて、多くの基質の生体内での消費と細胞内環境維
持に必要不可欠な生体成分であると考えられます。
2. L-カルニチン摂取量の目安
厚生労働省はこれまで医薬品として使用してきた経緯と諸外国の摂取目安量(アメリカ:体重
(1kg)当たり20mg/日、スイス:成人一人当たり1000mg/日)を参考に、過度のL-カルニチン
摂取を防ぐ目的で1日あたりの摂取上限の目安量を約1000mgとし、L-カルニチンを供給する者
は過剰摂取の防止に対する配慮や消費者への情報提供を行うように勧告しています(5)。アミ
ノ酸の一種であるため過度の摂取を行わなければ代謝され体外へ排出される可能性が高く比較
的安全な食品成分と考えらます。体内でのL-カルニチン生成量は20代をピークに減少すると考
えられています(1)。従ってL-カルニチンは、食事環境や加齢に応じた摂取を行うことが望ま
しい食品成分と思われます。実際の食生活ではL-カルニチンは主に肉類から供給されるため、
生活習慣病のリスクの高い人はそのリスクに応じた摂取方法や他の栄養成分とのバランスを考
慮する必要があるかもしれません。
3. 人におけるL-カルニチンの生理的有効性:臨床薬的な効果を中心に
3-1.循環器疾患に関連する効果
狭心症に関する有効性として、1日当たり2gのL-カルニチンの投与が心機能の改善と運動機能
の向上をもたらすことが報告され(6,7)、またL-カルニチンの投与により心拍数の改善、収縮
期動脈圧の改善、脂質パターンの改善、死亡率の低下なども示されています(8,9,10)。
3-2.腎機能改善効果
透析を受ける腎疾患においてL-カルニチンの経口摂取あるいは静脈投与は透析によって失われ
たカルニチンを補うために必要な処置とされています(11)。しかし、Hurotらは様々な角度か
ら透析患者に対するL-カルニチンの生理効果を調べた結果、透析患者へのL-カルニチン投与は
、脂質代謝異常の改善に対して効果を示さないが、貧血の改善に効果的であることを示唆して
います(12)。
3-3.AIDS患者のリンパ球に及ぼす影響
1日当たり6gのL-カルニチン摂取が、AIDS患者において抗アポトーシス作用を示すことや(13)
、6gのL-カルニチンを4ヶ月間HIV-1感染者へ与えたところアポトーシスを引き起こす細胞の発
生頻度の低下を観察していますが、臨床的な効果までは至っていません(14)。アポトーシス:
細胞死のメカニズムで、細胞に遺伝的にプログラムされている細胞死をアポトーシスと言いま
す。
3-4. その他の作用
1) 不妊症に対する有効性について、Lenziらは不妊症男性患者へL-カルニチン(2g/日)と L-
アセチル-カルニチン(1g/日)を6ヶ月間与えたところ精子の運動が改善したことを報告してい
ますが(15)、妊娠との関連性は明らかではありません。
2) 甲状腺機能亢進は血中カルニチン濃度の低下を生じることが知られていますが、2〜4g/日
のカルニチン摂取により症状が改善することが報告されています(16)。
3) 抗けいれん薬(抗てんかん薬)であるバルプロ酸の服用は、カルニチン欠乏を引き起こす
ことが知られています。バルプロ酸治療を行う患者に体重1kg当たり15mgのL-カルニチンを投
与したところ、1週間でカルニチン欠乏から回復することが示されています(17)。また、L-カ
ルニチン摂取はバルプロ酸摂取によって引き起こされる肝毒性や過剰投与によって引き起こさ
れる障害に対しても有効とされています(18)。
4) 先天性代謝異常によるカルニチン欠乏症に対し有効であることが知られています(19)。
このように臨床的なL-カルニチンの利用の多くは、欠乏症を補うために投与する事例が多いこ
とが分かります。
5. 近年の話題
L-カルニチンには以上に示したような様々な生理機能が報告されていますが、生化学的には、
長鎖脂肪酸などがミトコンドリア膜を透過するのに必要な成分として働きます。特に、脂肪酸
の代謝ではb-酸化に大きく関係するため、細胞内でのL-カルニチン濃度は脂肪酸のミトコンド
リア膜透過に大きく関係し、エネルギー産生に影響するものと考えられています。
近年、生活習慣病の増加に伴って、リスク因子である肥満の予防あるいは改善に関心が集まっ
ています。L-カルニチンの生理機能を考えれば、脂肪燃焼の亢進による体脂肪低減効果が期待
されるのですが、L-カルニチンの経口摂取が、人において肥満の改善効果を示す報告はこれま
で認められていません。動物においても体重増加量の低下や体脂肪の減少に関する効果に否定
的な報告が見られます(20, 21)。これらのことから、L-カルニチンの摂取は肥満に対して効
果があるとは思えないのが現状です。果たしてL-カルニチンの摂取が肥満解消を促すのか今後
の検討課題です。燃焼には適度の運動が不可欠であることが言えます。
以上近年話題のL-カルニチンについて紹介しました。L-カルニチンは薬として使用されてきた
経験が長く、また生体成分でもあることから、安全性上大きな問題は生じないと考えられます
が、「いわゆる健康食品」として摂取されたL-カルニチンによって、脂肪燃焼を介したダイエ
ット効果が発揮されるのか疑問が残されており、利用に対する冷静な対応が必要かもしれませ
ん。
学会での一般的な見解のようです。
L-カルニチンの経口摂取だけでは、肥満の改善効果を示さないといわれており、
運動とのコンビネーションが必要といえます。ただしい使い方をして、
肥満の改善に挑戦してください。
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